会社のメールサービスをGoogleAppsへ移行してみた。(2) -サービスの内容と料金体系について

hottolinkblog2008-06-11

おはようございます。ホットリンクあさのです。

さて、GoogleApps移行につての第2回はAppsのサービスについてです。導入検討にあたって疑問に思ったことを中心にまとめました。

以下は2008年2月時点でGoogleから聞いた情報です。2008年6月時点でもほぼ同じです。実際に導入を検討する人は、Googleに最新の情報を確認するようにしてください。

顛末

以前は、会社のメールサーバーはA社(仮称)のASPサービスを使っていました。運用にかかる手間や信頼性と会社の規模を考えれば妥当な選択です。

基本、メールは各自のPCのメーラーに保存しています。(Becky,Outlook,ThunderBird,Shirikenなど、わりとフリーダム)

Gmailが注目されるようになると、プロジェクトの兼務が多い日々大量のメールが来る開発者やシステム管理者などが自然発生的に使い始めました。

使い方は、A社のメール設定に、自分のGmailアカウントに転送するようにして、GmailからPOPで取得するという方法です。
主な利点は以下の通りです。

  1. 大量のスパムをローカルにDLする前に弾けるスパムフィルタ機能
  2. 早くて賢い検索機能
  3. 出先でも家でもメールが確認できる。

しかし、法人として契約しているA社とは違い、GmailGoogleと社員個人の契約の元で使っています。一時、全面禁止論も叫ばれました(主に使っていない人から)。しかし、Gmailを使うことで業務効率を上げて仕事のキャパシティを増やしていた人は、いまさら元に戻されるとかなり厳しい状態になります。進んでしまった時計の針はもう戻らないんです。

じゃ、Googleと会社で契約すればいいんでしょ、ということでGoogleの法人向けサービス、GoogleAppsの導入を検討することになりました。(正確には、Google Apps Premier Editionです。以後、Appsと表記します)。

アカウントと課金について

1アカウント1年で50ドル円です。(円高の時はちょっとお買い得?)

支払いはクレジットカードで日本円で払えます(法人カード使いました)。100アカウント以上の場合には請求書による銀行振り込みなどが使えるそうですが、それ以外は基本的にクレジットカードです。

クレジットカードの支払いはGoogleCheckoutというサービスを使います。これはGoogleAppsではないので、結局Gmailのアカウントが必要になります。個人のを使うと、その人の退職や異動時に困るので会社で1コ作った方て管理するのが良いでしょう。クレジットカードを切り替える場合は、一度無料版(GoogleApps Standerd Edition)に切り替えて、新しいのを登録するしかないようです。その際、メールボックスが無料版の制限をオーバーしているアカウントについては、送受信が行えない状態になります(メールは溜まると思いますが、未検証です)。切り替えには、30分くらいかかるそうです。


30日間、10アカウントまでは無料です。この期間で検証等を行いましょう。30アカウントを購入した場合、30アカウントを作成する権利を購入したことになります。30アカウントまでだったら、いくつでも消したり作ったりできます。無効(ログイン不可)にすることもできますが、この場合は課金対象になります。足りなくなったときは、Apps管理画面から購入します(翌月請求・・・だったかな)。

別名や、メーリングリストを課金なしで作成することができます。メーリングリストは転送だけの簡易なものです。

メールのドメイン等について

弊社のメールのドメインは、hottolink.co.jpですが、このメールサーバー(MXレコード)をAppsのものに指定することになります。

Appsはドメインホスティングはやっていませんので、変更はこちらで行う必要はあります。かといって、検証も無くいきなり移行はできないので、ドメインの切り替えをするまで、
hogehoge@hottolink.co.jp.test-google-a.com
というようなアドレスが使えます。A社のメールの転送先にこれを指定すれば、AppsのGmailにメールが溜まるようになります。別名でのメールアドレスや、メーリングリストドメインの切り替え後になります。

申し込み後どのくらいで使える?

Appsはオンラインで申し込みまで行うことができるのですぐに始められます。作成した時から無料期間30日のスタートになります。

Gmail以外のサービス

ポータルページを作ることができます。iGoogleだと思ってもらえれば間違いないです。ヘッダやフッタ、初期登録ガジェットを管理者側で変更することができます。
GoogleDocsとGoogleCalenderが利用可能です。チャットや簡易CMSのようなサービスもあります(使っていません)。

セキュリティやシステムの信頼性について

httpsでサービスを使うことができます。システムの信頼性は、いろいろ資料がありましたが、少なくとも自前でやるよりは安心できそうです。(前、ちょっと繋がらなくなって焦ったことがありますが、数十分で復旧しました。こちらの障害を疑いましたが、2chでスレ立ってました)

サポートの連絡先は余裕のある時に担当者に聞いておいた方が良いです。オモテには載っていません。Q&AサポートはGoogleGroupで、ということみたいです。

Pマークのような第3者機関の認定は、米国のそういった認定を取っている(取る予定?)そうです。回答文面をコピペ。

三者機関の認定取得としては、SAS70(米国公認会計士協会が策定した監査基準書第70号)を申請中でType1を今年末までに、Type2を来年上半期中に取得予定です。

また、現Googe Apps Premier Editionは、下記に沿ったシステムとなっております。
FERPA
HIPAA
SOX and SEC 17a-4
European Safe Harbor

以上が、私が導入検討にあたり疑問をもった点の回答でした。
導入を検討されている方の参考になれば幸いです。

次回はメールデータの移行など、サービス切り替えについて説明しようと思います。